親が施設に入ることになったら~実家をどうするか、早めに考えておきたい理由~
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
親が高齢になり、介護施設への入居が決まったとき、「実家はどうしよう」という問題が急に目の前に現れることがあります。
施設の手続きや引っ越しの準備でバタバタしているうちに、実家のことは後回しになりがちです。
しかし実は、この「後回し」が税金面で思わぬ損につながることがあります。
1. 親が施設に入ると実家は空き家になる
親が施設に移り、子どもたちも別に暮らしている場合、実家はそのまま空き家になります。
誰も住まなくなった家は、管理されなければ劣化が早まります。
人が住んでいると自然と換気や水回りの使用が行われていますが、空き家になるとその循環が止まり、建物の傷みが想像以上に早く進む傾向があります。
加えて、管理が行き届かない空き家は「特定空家」「管理不全空家」に指定されるリスクもあります。
指定されて市区町村から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が大幅に増えることになります。
「親がまだ生きているから」と放置することが、気づかないうちにコストを増やしている可能性があります。
2. 売却を考えるなら「3年以内」が大切
親が施設に入って実家を売却する場合、税制上の重要な期限があります。
居住用財産を売却したときに譲渡所得から3,000万円を控除できる「3,000万円特別控除」は、住まなくなってから3年が経過する年の12月31日までに売却しなければ適用されません。
親が施設に移り住んでから3年が過ぎてしまうと、この特例が使えなくなる可能性があります。
築古の実家であっても、土地の価値によっては売却益が生じることもあり、この特例が使えるかどうかで税負担が大きく変わることがあります。
「いつか売ればいい」と構えていると、気づいたときには期限を過ぎていた、ということになりかねません。
詳しくは税理士にご確認ください。
3. 親が元気なうちに動くことが大切な理由
不動産の売却は、名義人本人の意思確認と契約行為が必要です。
親名義の実家を売却するためには、親自身が「売る」という意思を持ち、契約に署名できる状態でなければなりません。
認知症が進んで意思能力がないと判断された場合、親族であっても勝手に売却することはできなくなります。
その場合、「成年後見制度」を利用して後見人に売買契約を行ってもらう方法がありますが、手続きに時間がかかり、後見人が売却を不要と判断するケースもあります。
また、一度後見が始まると原則として亡くなるまで続くという側面もあります。
「親がまだ元気なうちに」というのは、気持ちの上での話だけでなく、法的な手続きの上でも重要な意味があります。
4. 売る・貸す・家族が住む——それぞれの現実
実家の活用方法は大きく「売る」「貸す」「家族が住む」の3つです。
売却は一度にまとまった資金が得られ、維持管理の負担もなくなります。
施設費用の足しにもなり、相続時の財産が現金になることで、兄弟間での分割もしやすくなるというメリットもあります。
「貸す」という選択肢は家賃収入が得られますが、築古物件はリフォーム費用がかさみやすく、借り手が見つかりにくいエリアでは収益が安定しない可能性もあります。
維持管理コストや固定資産税も引き続き発生します。
家族の誰かが住む場合は、その方が管理を引き受けることになりますが、将来的な相続時に不動産をどう扱うかを事前に話し合っておく必要があります。
5. 早めに家族で話し合っておくことの意味
実家の行方は、感情面でも財産面でも家族にとって大切なテーマです。
「思い出の家だから手放したくない」という気持ちは自然ですが、誰も住まない家を維持し続けることにはコストと手間が伴い、そのまま放置することにもリスクがあります。
親がまだ元気で判断能力がある間に、家族で話し合い、大まかな方針を決めておくことが、後のトラブルや焦りを防ぐ最大の備えになります。
「まだ早い」と思うときこそ、実は動きやすいタイミングです。
6. まとめ
親が施設に入ることになったとき、実家の扱いは後回しにしがちですが、売却を検討するなら「住まなくなってから3年以内」という税制上の期限があり、親の判断能力があるうちに動くことが法的にも大切です。
売る・貸す・家族が住むそれぞれの選択肢には現実的なメリットとデメリットがあり、早めに家族で話し合っておくことが将来の負担を減らすことにつながります。
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