孫への生前贈与:相続税対策のメリットと注意すべき点
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
9月18日は敬老の日、大切なおじいちゃんとおばあちゃんに、感謝の気持ちを伝える大切な日です。
皆さんはどのように過ごされましたか?お孫さんと楽しい時間を過ごされた方も多いのではないでしょうか。
近年、“孫への生前贈与”に関心が高まっています。
今回は、孫への生前贈与の、相続税対策におけるメリットと注意すべき点について説明します。
孫への生前贈与への関心の高まり
最近、孫への生前贈与に対する関心が高まっています。
これは、2023年度の税制改正により、相続税や贈与税に関するルールが変更されたことに起因しています。
2023年の税制改正で、配偶者や子どもなどへの贈与税の課税範囲が拡大しました。
これにより、これまでの対策のままでは節税効果が減少してしまい、相続税や贈与税が大きくなるケースもあります。
一方で、孫への贈与は課税強化の対象外とされており、孫への生前贈与は相続税対策の一つとして注目を浴びています。
相続財産への加算期間の変更
被相続人が亡くなる前の一定期間に贈与した財産を、相続財産に加入する仕組みが変更されました。
加算対象期間は、現在は3年間ですが、段階的に拡大され、2031年の相続からは故人が亡くなる前7年間の贈与財産が相続財産に加算されます。
ただし、加算が適応されるのは、被相続人の配偶者、子どもなどの法定相続人や、遺言で財産を贈る遺贈の対象者で生前贈与を受けていた人などに限られます。
孫は法定相続人に該当しないため、贈与された財産は相続税の計算から除外され、相続税を軽減できるケースがあります。
孫が被相続人の養子になっているなど一定の場合は、法定相続人に該当することもありますのでご注意ください。
暦年贈与と特例税率の活用
暦年贈与では、1年間に受け取った贈与額が、基礎控除の110万円以下であれば非課税となります。
毎年110万円以下で贈与をすれば、贈与税を払わずに相続財産を減らしていくことができます。
また、「特例税率」の利用によるメリットもあります。
18歳以上の孫や子に贈与する際は特例税率が適用され、一般の贈与税に比べて税率が低くなります。
資産のある方の中には、あえて110万円の基礎控除を超える金額を長期間贈与し、相続財産を減少させるケースもあります。
例えば、基礎控除後の贈与額が400~600万円の場合は、特例税率は20%、一般の税率は30%となり、特例税率の方が税額が低いです。
非課税枠の活用①教育資金の一括贈与
教育資金や結婚・子育ての資金の一括贈与には非課税枠が設けられており、大きな金額を一度に贈与することができます。
「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」とは
直系尊属から30歳未満の直系卑属、つまり父母や祖父母から30歳未満の子どもや孫に、教育資金に充てるため、金融機関との「教育資金管理契約」に基づいて教育資金を一括贈与した場合、受け取る人ひとり当たり1,500万円までは、贈与税が非課税となる特例です。
教育資金の一括贈与を適用するためには、取扱金融機関で、受け取る人の名義の教育資金口座を開設する必要があります。
そして、取扱金融機関が、教育資金の管理や税務署への届出を行います。
使用用途は教育資金に当てはまるものに限られ、入学金、授業料、通学定期券代やオンライン授業のためパソコン代などで、領収書等や請求書等を取扱金融機関へ提出しなければなりません。
受け取る人の前年度の合計所得金額が1,000万円を超える場合にはこの制度を受けることができません。
また、受贈者が30歳になったり教育資金管理契約が終了した場合や、教育資金管理契約中に贈与者(祖父母など)が死亡した場合には、残額が贈与税や相続税の課税対象となります。
制度の期限が2023年3月末まででしたが、改正により2026年3月末まで延長されました。
非課税枠の活用②結婚・子育て資金の一括贈与
「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」とは
直系尊属から30歳未満の直系卑属、つまり父母や祖父母から30歳未満の子どもや孫に、結婚・子育て資金に充てるため、金融機関等との「結婚・子育て資金管理契約」に基づいて金融機関等などに、受け取る人名義の専用の口座を作るなどの方法により、その直系尊属(祖父母など)から18歳以上50歳未満の子や孫に結婚・子育て資金を贈与した場合、受け取る人ひとり当たり1,000万円までは、贈与税が非課税になるという制度です。
こちらも、取扱金融機関が、資金の管理や税務署への届出を行い、
受け取る人の前年度の合計所得金額が1,000万円を超える場合にはこの制度を受けることができません。
また、受贈者(孫など)が50歳に達することなどにより、結婚・子育て資金口座の契約が終了した場合や、契約期間中に贈与者(祖父母など)が死亡した場合には、残額が贈与税や相続税の課税対象となります。
制度の期限が2023年3月末まででしたが、改正により2025年3月末までとなりました。
孫への生前贈与のメリットと注意点
孫への贈与のメリットは、生前贈与を通じて相続財産を減少させ、相続税負担を軽減できることです。
暦年贈与や、教育資金や結婚・子育ての資金の一括贈与の非課税枠を利用することで、贈与者は相続財産を効果的に減少させることができます。
もちろん孫への生前贈与を考える際にも、注意すべき点はあります。
まずは、不公平感からのトラブルです。
特定の孫に多額の贈与を行う場合、その他の孫や家族メンバーから不公平感が生じ、トラブルの原因になる可能性があります。
贈与者は、贈与計画を立てる際に家族とのコミュニケーションを重視し、公平性を考慮することが重要です。
不公平感を和らげるために、贈与を行う理由や意図を家族に説明することも大切です。
また、贈与税は贈与額に応じて発生するため、シミュレーションを行いながら、贈与税と相続税のバランスを考えていく必要があります。
2023年度の税制改正で、教育資金や結婚・子育て資金の一括贈与の非課税枠については期限が延長されましたが、
「孫への生前贈与に一定の規制をしてはどうか?」
という意見も出ており、将来の制度の変更のリスクも頭に入れながら、幅広く知識を持って検討することが大切です。
また、生前贈与を行う際、節税が主要な目的であるかもしれませんが、贈与の際には将来の事態を予測し、贈与を受ける孫や家族の幸福と安定にも注意を払うことが重要です。
贈与は単なる税金対策だけでなく、家族の絆や未来に対するサポートの手段としても考えるべきです。
まとめ
孫への生前贈与は相続税対策の有力な手段として注目されています。
関心が高まる背景には、税制改正や節税のメリットが影響しています。
しかし、計画的に実施するためには、家族とのコミュニケーションや専門的知識を持って税の計算やシミュレーションを行うことが必要です。
相続税対策は将来にわたるものであり、家族の幸福と安定を考えた計画を立て実施することが大切です。
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