実家の相続。共有は避けるべき!?
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
不動産は、現預金や有価証券等の資産と違って、分けるのが難しい財産です。
そのため、実家の相続においてひとまず共有で引き継ぐ例は少なくないのですが、そこにはさまざまなリスクを伴います。
今回は、不動産を共有する際に生じる問題やリスク、そして実家の相続において、不動産共有は避けるべき理由をご紹介いたします。
不動産を共有するリスク:意見の対立
不動産を共有すると、将来的に共有者間で意見の対立が生じる可能性が高まります。
特に二次相続時には、持ち分の現金化に関して対立が起こることがあります。
例えば、3人兄弟で、実家には両親と同居していた次男がそのまま住んでいて、実家を出て暮らしている長男と長女が、実家を売って代金を分けるように求めてくる場合の意見の対立です。
家を売りたくない次男。そこには、家族で過ごした家への思い入れがあったり、新しい住まいに引っ越す金銭的余裕がない等、様々な理由があるのかもしれません。
一方家を売って、持ち分に応じた現金を求めている長男と長女。
子どもの学費のため少しでも現金がほしかったり、老朽化する家にこのまま次男を住まわせたくなかったり、地価が上昇しているから今このタイミングで売りたい、など売却したい方にも様々な理由があることでしょう。
共有者間で意見が対立すれば、関係の悪化につながる懸念があります。
不動産を共有するリスク:手間と時間の負担
不動産を共有する場合、家の売却だけでなく、改築や建て替えなどの決定を共有者全員で合意する必要があります。
また、誰かに賃貸する場合にも、少なくとも共有持ち分の過半数の同意が必要です。
共有者の意見を合わせるには手間や時間がかかり、スムーズに進まないことがあります。
不動産が共有状態となるきっかけの多くが相続で、共有者は親族であることが一般的です。
近年は親族づきあいが希薄化しており、また相続した不動産から遠く離れた場所で生活している人も多いです。
共有者との連絡が途絶えてしまうと、その後不動産を売却したいと考えたときに共有者を探し出すのに手間がかかります。
共有者がみつかったとしても、関係性が悪い場合には不動産の管理や処分についての話し合いを進めにくくなります。
また、知らない間に共有者が亡くなり、その子どもや配偶者に不動産が相続されている可能性もあります。
そうなると、誰が相続人であるかを把握するだけでも大変な労力になります。
このため、売却や賃貸などができず、不動産が有効活用されずに放置される事態となる可能性があります。
共有した不動産の分割方法
共有している不動産を分割する方法として、
物理的に分割する「現物分割」、
代償金を用いて分割する「代償分割」、
売却などにより現金に換えて分ける「換価分割」
の3つの方法があります。
しかし、どの方法にも問題点はあり、
「現物分割」は物件が一つしかない場合には、物理的に分けることは困難であり、
「代償分割」は物件を取得する人が一定の資金を用意することが必要で、代償金の額を巡ってもめる可能性があります。
「換価分割」は、不動産を売却して現金化してから財産を分ける方法で、家に住み続ける人がいる場合は難しいです。
訴訟のリスク
共有者間で合意が困難な場合、訴訟(共有物分割請求訴訟)が発生する可能性があります。
裁判での審理の検討順序は、最初に現物分割や代償分割ができるかどうかを探ります。
現物で分けると著しく価値が減少したり、取得者に代償金を支払う能力がなかったりする場合には換価分割が検討されます。
訴訟では、当事者は判決に従わなければなりません。
換価分割になると、実家を第三者に売却するために競売を求められ、競売では物件の売却価格が市場価格を大きく下回り、想定していた金額を得られないことも少なくありません。
判決が当事者全員にとって納得できる内容になるとは限らず、感情的なしこりが残る場合もあります。
訴訟になる前に共有者間で協議を重ね、折り合える点がないかどうかを探ることが大切です。
不動産共有のリスクを避けるために
実家の相続において、不動産を共有するリスクを避けるためには、
相続前から共有とならないように考え、話し合いの場などを持つこと、
また共有状態になったとしても早めに共有を解消することが重要です。
親の家を共有状態にしたまま子が死亡し、孫に代替わりなどしてしまうと、協議がまとまりにくくなったり、協議が長引いたりする可能性が高いです。
親が決められなかったことを、子ども達が上手く話し合って決められるでしょうか?
兄弟どうして決められなかったことが、孫の代になり、人数も増え、世代の違う関係の薄い親戚も入った話し合いで上手くまとまるでしょうか?
相手のことも思いやりながら折り合いをつけるのがますます難しくなるかもしれません。
まとめ
実家の相続において、不動産を共有することにはデメリットが多くあります。
共有には対立や、売却等の処分の際の時間と労力の負担、訴訟のリスクなどが伴います。
相続が起こる前から、家族で実家の引き継ぎ方を考え、誰かが亡くなってから遺された資産を巡って家族が争うことがないように、前もって問題を解決していくことが大切です。
不動産の相続や共有に関するご質問や疑問があれば、いつでもお気軽に、ワンダーランドにお問い合わせください。
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