相続権を失う?相続欠格と相続廃除って何?
相続診断士の資格習得に向け、勉強中のワンダーランドMAIMAIです。
相続人となるはずだった人が、一定の重大の事情があるときには相続権を失う場合があり、それには相続欠格と呼ばれるものと、相続廃除と呼ばれるものがあるそうです。
テキストを読んでいるだけでは、どちらも同じように思えて理解できていないので、今回は、「相続欠格」と「相続廃除」の概要や具体的な理由について、調べながら書いていこうと思います。
相続欠格とは?
相続欠格とは、被相続人の意思にかかわらず、相続人が相続人としての資格を失うことを言います。
例えば、被相続人、または相続について先順位または同順位にある者に対する背信的行為などの違法行為を行った場合に、その制裁として法律上当然に相続権を喪失します。
相続での自分の取り分を増やすために、兄弟や親を殺したり、殺されたのを知っていて黙っていたり、だましたり脅したりして遺言書を書かせたりした場合に適応されます。
これは、民法891条に定められています。
民法891条
次に掲げる者は、相続人となることができない。
一、故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡
するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二、被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しな
かった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己
の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三、詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取
り消し、又は変更することを妨げた者
四、詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回さ
せ、取り消させ、又は変更させた者
五、相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿し
た者
相続欠格は本人にのみ効力を生じますので、代襲相続は発生します。
子どもが親の遺言書を隠して相続欠格者となった場合でも、孫がいたら代襲者として祖父母の遺産を相続できます。
相続欠格者は受遺者にもなれませんので、遺言書で財産を残すこともできません。
生前贈与は可能で、生命保険金を受け取らせることもできるので、どうにかして相続欠格の人に何か残したい場合に、贈与の方法はあるようです。
相続廃除とは
相続廃除とは、相続人に著しい非行がある場合に、相続人の地位を裁判所が法的に無効と判断し、相続人としての権利を剥奪する制度です。
相続人が相続人としての地位を持つことについて不正や不当がある場合に、裁判所によって相続廃除の判決が下されます。
例えば、殺人や遺言書の破棄隠匿ほどの重大な違法行為はしてないけれど、被相続人に暴力を振るったり、精神的・経済的に虐待したり、被相続人の財産を勝手に使い込んだりして被相続人に迷惑をかけたりした場合などが当てはまります。
相続廃除も、相続人として廃除されるのは本人だけなので、廃除された相続人に子どもがいたら代襲相続は発生します。
相続人の廃除をするための手続には被相続人が生前に自分で家庭裁判所に申し立てる「生前廃除」と、遺言書により相続人の廃除をする「遺言廃除」があります。
実際に、相続欠格や相続廃除は起こってるの?
欠格は法律で当然に相続できない人、廃除は裁判で認められて初めて相続できない人と言うことでしょうか。欠格の方が罪は重いと覚えようと思います。
実際に、相続欠格や相続廃除は起こっているのか、どんなことでそうなるのでしょうか。
相続欠格の判例を調べると
・被相続人に対して日常的に暴力を振るっていて、その事実が証明されたことで相続欠格が認められた
・相続人が被相続人の面倒を全く見ず不貞行為を繰り返していたことが証明され相続欠格が認められた
・相続人が被相続人に対して脅迫を行い、相続権を放棄させたことが証明され相続欠格が認められた
このようなものが出てきました。
相続廃除の判例もありました。
・被相続人の長女が、被相続人の死後に、被相続人の意思に反して財産を処分したことを認定し、相続廃除を認めた
・被相続人の死が近いことを知り、その子どもが被相続人の預貯金の名義を被相続人の意思に基づくことなく自分や妻子名義に変更し、被相続人に不当な精神的苦痛を与えた行為が著しい非行に該当するとされ、相続廃除を認めた
現実に起こっているのですね。相続が、「争族」にならない世の中であってほしいです。
相続診断士の使命は、「争族を減らし笑顔相続を普及すること」だそうです。
自分がこの世からいなくなることを考えるのは、避けたいことです。それは、人間は、「生きたい」という強い本能を持っているから当たり前のことだと思います。
生前から、相続と向き合い、相続対策を検討する方のお手伝いが少しでもできるように、日々学習を積み重ねていきたいです。
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