不動産を売却する際に課される税金
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
不動産を売却する際には、所得税や住民税などの様々な税金が課されます。
定義を読んでいるだけでは理解しにくいので、自分が住む物件を売ることを想定し、相続や贈与、売却など、様々なパターンを考えて、それぞれにかかる税金をシュミレーションしてみましたが、課される税の種類や控除・減税が受けられる条件など、たくさんのことを考えなければならず、嫌になるややこしさでした。
本日は、不動産を売却する際にかかる税金や減税制度について、簡単に説明できたらと思います。
1.所得税と住民税
物件の売却によって得た儲け額には、10~30%の所得税と住民税がかかります。
儲け額は、購入代金を売却代金から引くことで算出されます。また、売却にかかる経費(取得費・譲渡費用)も、売却価格から差し引くことができます。
取得費は、土地の場合、買い入れたときの購入代金や購入手数料などの合計額です。
建物の場合は、購入代金などの合計額から所有期間中の減価償却費相当額を差し引いた額です。
皆さんは物件の購入代金、分かりますか?
購入時の契約書等は置いているでしょうか?
不動産の購入が最近であれば、きっと契約書が手元にあり、購入金額も明確に分かるでしょう。
しかし、売った土地建物が先祖伝来のものであるとか、買い入れた時期が古いなど、取得費が分からない場合もあります。
その場合には、売った金額の5%相当額を取得費とすることができます。
また、実際の取得費が売った金額の5%相当額を下回る場合も、売った金額の5%相当額を取得費とすることができます。
例えば、土地建物を4,500万円で売った場合に取得費が不明のときは、売った金額の5%相当額である225万円を取得費とすることができます。
譲渡費用には、不動産屋に支払う仲介手数料や印紙税などが含まれます。
仲介手数料は、一般的に売った金額の3%程度です。
印紙税は、契約書や領収書などを作成する際に課税される税金で、その目的や金額により、税額が違います。
4,500万円の土地建物の売買契約書であれば、印紙税は1万円です。(R6年3月迄は特例措置で2万円から1万円に減額されています)
印紙は郵便局で買える、切手のような見た目の紙で、契約書や領収書に貼付します。
仲介手数料や印紙税などの諸費用を合わせて、譲渡費用は、売った金額の5%程度になります。
2.居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
自分が住んでいる家屋や敷地、借地権を売却する場合は、課税される対象金額が、一定額安くなる特例を利用することができます。
この特例では、所有期間の長短に関係なく最大で3,000万円まで譲渡所得から控除ができます。
これを「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。
この特例を受けるための要件は
自分が住んでいる家屋を売るか、家屋と共にその敷地や借地権を売ること。
売り手と買い手が親子や夫婦など特別な関係でないこと。
などがあり、
この特例を受けるために入居した場合や、一時的な目的で入居した場合、別荘など趣味や娯楽のために保有している家屋では、適応することはできません。
この特例を利用すれば、例えば4,500万円で土地建物を売却した場合、
4,500万円-(取得費+譲渡費用)-3,000万円
この金額に、税が課されます。
取得費と譲渡費用をそれぞれ売却価格の5%として計算すると、
4,500万円-(225万円+225万円)-3,000万円 =1,050万円
課税の対象となる金額(課税譲渡所得金額)は、1,050万円になります。
3.譲渡所得税率の計算
譲渡所得金額には、所得税率が適用されます。
物件の所有期間によって税率が異なり、長期譲渡所得(所有期間が5年を超える場合)と短期譲渡所得(所有期間が5年以下の場合)で税率が分かれます。
長期譲渡所得税率: 譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超える土地や建物の売却時には、税率は15%です。さらに、住民税5%と復興特別所得税0.315%が課税され、大阪府では合計20.315%の税が課されます。
短期譲渡所得税率: 譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下の土地や建物の売却時には、税率は30%です。住民税9%と復興特別所得税0.63%が追加で課税され、39.63%になります。
4,500万円で土地建物を売って、3,000万円の控除を受けたとして考えると、
長期譲渡の場合は、課税譲渡所得金額1,050万円に22.1%の税が課され、
税金は232.05万円
短期譲渡の場合は、課税譲渡所得金額1,050万円に39.63%の税が課され、
税金は416.115万円
となります。
そろそろ、考えることが多くて嫌になってきますよね。
物件を所有している期間や目的によって受けられる控除が違ったり、税率も変わってきます。
4.マイホームを売ったときの軽減税率の特例
マイホーム(居住用財産)を売却する場合には、一定の条件を満たすと軽減税率の特例が適用されます。
具体的な条件は、売却した家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていることなどです。
この特例を利用すると、長期譲渡所得の税額を通常よりも低い税率で計算することができます。
具体的には、長期譲渡所得の税率の6,000万円までの部分が15%から10%に減額されます。
所有期間が10年を超えるマイホームを4,500万円で売却するとして、また計算してみます。
4,500万円から取得費5%と譲渡費用5%を引いて、4,050万円
4,050万円に3,000万円の控除を受けて、課税譲渡所得金額は1,050万円
長期譲渡所得の税は、6,000万円までは10%に減額されます。
そこに住民税4%と復興特別所得税0.21%が課税されますので、合わせて14.21%の税が課されます。
1,050万円の17.1%=149.205万円の税を納めることになります。
5.控除や減税をしっかり利用して、節税を。
このように、自分が1人で持っている土地や家を一つ売るだけでも、税金の計算や、何が控除できるのか考えるのはややこしくて大変です。
現実は、所有者が複数で、持ち分割合がばらばらで、控除を使える人と使えない人がいたり、さらに相続によって所有者が増えたり、相続税を払うために現金が必要で物件を処分せざるを得なくなり、ゆっくりと考える時間もなく売却し、安い価格で買いたたかれたり、対策をすれば税金を減らすことができたりと、複雑であるからこそ様々な問題が潜んでいます。
大切な家を手放すことや、相続が起こることを考えるのは、気が進まないことかもしれませんが、しっかりと考えておくことで必ず良かったと思える日が来ます。
私はまず簡単なことから、実家の不動産の権利書類・契約書類の場所を教えてもらっておく事から始めようと思います。
今後またさらに複雑な、相続や贈与も含めた内容もブログを通して上手く説明できればと思います。
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