タワマン増税?マンション節税つぶし?マンションの相続税評価の変化とは?
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
マンションの相続税評価の見直し案が、国税庁から公開されました。
一体何が変わり、どのような人が影響を受けるのでしょうか。私なりに、情報をまとめ、理解したことを発信したいと思います。
マンション節税とは?
マンション節税とは何でしょうか。
これは日本での不動産投資に関連する節税戦略の一つで、名前の通り、マンションの取得を通じて節税を行う方法を指します。
マンション節税の根底にあるのは、日本の税法における不動産の評価方法と、実際の価格の違いです。
相続税評価には、「路線価」と「固定資産税評価額」が影響します。
路線価は税務署が公表する土地の価値の基準で、マンションの土地部分の価値を評価する際に用いられます。
マンションの特徴として、同じ土地面積でも多数の部屋を有するため、部屋一つあたりの土地の評価額は低く抑えられます。
タワーマンションの土地の持ち分割合は、単に部屋数で割るのではなく部屋の広さなどの価値も考慮され、3716034分の8765というような中途半端な数字となります。
浪速区のとあるタワーマンションの一室で調べて計算してみると、土地の持ち分割合は全体の0.28%でした。
つまり、土地の価格がとても高かったとしても、持ち分の割合が少ないので、その影響は小さくなります。
建物部分の相続税評価は固定資産税評価額で評価されます。
固定資産税評価額は、建物を建て直す際にかかる費用を基準に計算されるもので、建物の規模や築年数、構造や建材、使っている設備の質などの要素から評価されます。
同じ規模・構造で、建材や設備も同じものでマンションを建てれば、それが東京の都心であっても、奈良の山間部の駅まで車で30分以上かかるところでも、建物の固定資産税評価額、つまり相続税評価額は同額と言うことになります。
しかし全く同じ形の建物でも、実際に売買するときの価格は、もちろん東京の都心方がはるかに高くなりますよね?
このように、都心のタワーマンションは実際の価値よりも相続税評価額が低くなり、相続税対策において、有利だとされていました。
乖離率とは?
マンション節税で話題に上がる「乖離率」とは、特に「相続税評価額」と「市場価格(時価)」との間の乖離を指します。
わかりやすく式にすると
「相続税評価額」×「乖離率」=「市場価格」
つまり
乖離率=市場価格÷相続税評価額
こんな感じでしょうか。
相続税評価額は税法上の規定に基づいて計算される価格で、市場価格(時価)とは、その物件が現在の市場で取引される際の価格、つまり実際に買い手が支払うことを想定した価格です。
これら二つの価格は必ずしも一致するわけではありません。
特にタワーマンションなどの都心部のマンションの場合、市場価格は地価の上昇や物件の希少性などにより高くなる傾向がありますが、
相続税評価額は買ってすぐでも市場価格より低いことがほとんどで、また築年数が長くなると金額が低くなっていきます。
この二つの価格の差異が大きいほど、乖離率も大きくなります。
例えば、相続税評価額が5000万円で市場価格が1億円の場合、
乖離率は2.0倍(1億円÷5000万円 = 2)となります。
この乖離率が大きいほど、相続税の節税効果が大きくなります。
なぜなら、相続税は相続税評価額に基づいて計算されるため、この評価額が市場価格に比べて低いほど、相続税の負担も低くなるからです。
相続人が1人で控除の特例等も全く利用できない場合で、単純にわかりやすく計算してみます。
現金1億円相続すると相続税は2300万円、
市場価格1億円、相続税評価額5000万円のマンション(乖離率2.0倍)を相続すると相続税は800万円
市場価格1億円、相続税評価額2500万円のマンション(乖離率4.0倍)を相続すると相続税は325万円
このため、マンション節税では、乖離率が大きい物件を選ぶことが重要となるわけです。
マンションは乖離率が大きいため、節税に利用されてきた。
国税庁の資料によると、マンションの評価額と市場価格との乖離率の平均は2.34倍、一戸建ての乖離率の平均は1.66倍だそうです。
ここからわかりやすく計算すると、
マンションの相続税評価額は平均して市場価格の43%程度
一戸建ての相続税評価額は、平均して市場価格の60%程度
ということになります。
マンションの評価額が市場価格の50%以下、つまり半額以下となっているのは、約65%あるようです。
実際の価値よりも、相続税評価額を小さくし、相続税を節税することにマンションは利用されてきました。
地価が高いことの影響が少なく、また価値が下がりにくいという点で、都心のタワーマンションは、節税対策にとても有利だったといえます。
近年、あからさまな節税対策で、このマンション節税を利用していることを国税庁は問題視し、今回のマンションの相続税評価の見直しが検討されているのです。
市場価格の60%で相続税評価されている、一戸建の水準に、マンションも合わせていく形だ。
評価乖離率で、理論上の市場価格を計算
「評価乖離率」
・・・また訳の分からない言葉が出てきます。
これは、国税庁が実際の取引事例などを基に、統計的なデータから導き出されたモノです。
現行の評価額に、そのマンション1室の評価乖離率をかけることで、理論上の市場価格が算定できます。
そこに一戸建ての相続税評価額の水準である、0.6をかけたものを新たな評価額にします。
マンション1室の評価乖離率は、4つの指標から計算します。
①築年数×0.033
②総階数指数(総階数÷33。①を超える場合は1)×0.239
③所在階×0.018
④敷地持ち分狭小度(敷地利用権の面積÷専有面積)×1.195
評価乖離率=-①+②+③-④+3.220 という計算式です。
新たな評価額は、現行評価額×評価乖離率×最低評価水準0.6
新たな評価額によって、マンションの相続税評価額を、
最低でも時価の6割程度とすることが狙われているようです。
「評価乖離率」が1.67以下となる場合は、
現行評価額が理論上の市場価格の60%以上だといえます。
そのため、評価乖離率が1.67以下の時には、現行の評価額がそのまま新しい評価額となるようです。
評価乖離率が1未満となれば、理論的な市場価格よりも現行の評価額が高いと言うことになります。
その場合は、安い方である理論的な市場価格を、新しい評価額とします。
これにより、節税効果のある評価額の低いマンションについては評価額が上がり、
評価額が市場価格より高くなってしまっていたマンションについては評価額が下がり、
適切な課税がされることになります。
タワーマンションでは、新評価額が現評価額の2倍超になることも。
日本経済新聞社の記事では、新しい評価方法がマンションの評価額にどう影響するのか、5つのタイプのマンションを想定し、検証していました。
想定した細かい条件などは省略して、結果だけを書きます。
・大規模多棟型マンション(70㎡)
現行の相続税評価額:3209万円
新しい相続税評価額:4730万円(1.47倍)
・一般的なマンション(60㎡)
現行の相続税評価額:2067万円
新しい相続税評価額:2785万円(1.35倍)
・ワンルームマンション(15㎡)
現行の相続税評価額:366万円
新しい相続税評価額:412万円(1.13倍)
・タワーマンション(75㎡)
現行の相続税評価額:2460万円
新しい相続税評価額:5075万円(2.06倍)
・郊外型低層マンション(120㎡)
現行の相続税評価額:4210万円
新しい相続税評価額:3829万円(0.91倍)
このように、タワーマンションは現行の相続税評価額が低く、
新しい評価方法では相続税評価額が高くなり、2倍を超える額になることが十分考えられます。
また、タワーマンションだけでなく、幅広いマンションの相続税評価額に影響を及ぼすようです。
新制度は2024年1月1日から。
新しい制度が始まるのは、2024年1月からの予定です。
資産を多く持つ富裕層だけでなく、これまで相続税がかからなかった人にも、影響が及ぶ可能性があります。
それまでにどんな対策ができるのでしょうか。
評価額が低いうちに暦年贈与でマンションの贈与を進めていくことも考えられます。
あまりに露骨な方法で相続税を減らすようなことをすると、国税庁が黙っていません。
90歳の人が10億円の多額の借金をしてマンションを購入、借金でマンションなどの財産の評価額は相殺され、相続税が0円になり、相続後すぐにそのマンションが売却された事例は、約3億円の追徴課税とされました。
相続対策は、早めに行うこと、そうです、今、気になったときから始めるべきです。
脱税はしてはいけませんが、適切に節税を行い、財産を引き継ぐことは大切なことです。
不動産、相続でお困りのことは、ぜひワンダーランドにご相談下さい。
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