空き家問題。家族が集まるこの時期に、考えてみましょう!
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
相続した家や居住しなくなった家は、どうしたらいいのでしょうか?
今回は、空き家問題の現状や、特定空家について、記載していきます。
空き家の現状
日本の総住宅数は平成30年10月1日現在で6242万戸、これは平成25年と比べて179万戸の増加となっています。
この30年間で見ても、総住宅数は2041万戸(48.6%)増加し、一貫して増加傾向にあります。
それに対し、「居住世帯のない住宅」、つまり空き家は846万戸と増加し続け、その増加率は3.2%に上ります。
この結果、総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は13.6%となり、過去最高を記録しています。
空き家問題は全国的に見ても深刻で、山梨県では21.3%、和歌山県では20.3%という、高い空き家率が見られます。
一方で、埼玉県や沖縄県では空き家率が10.2%と、全国平均よりも低い状況です。
種類別に見ると、賃貸や売却用を除いたその他の住宅がこの20年で約1.9倍に増加し、その中でも特に一戸建て(木造)が多い状況となっています。
つまり、賃貸用でもなく、売り出しているわけでもない、木造の一戸建ての空き家の増加が、問題視されています。
「空家等対策の推進に関する特別措置法」
このように増加の一途を辿る空き家問題に対し、
「空家等対策の推進に関する特別措置法」が制定され、対策が進められています。
この法律は、適切な管理が行われていない空き家が、防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼすことを防ぎ、地域住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、空家等の活用を図ることを目的としています。
「特定空家等」とは、
倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態、著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にある空き家を指します。
自治体は、特定空家等に対して除却、修繕、立木竹の伐採等の措置の助言又は指導、勧告、命令を行うことができます。
また、必要な措置がとられない場合には、固定資産税等の住宅用地特例の除外や50万円以下の過料が科されたり、特定空家等の所有者等に代わって行政が強制的に措置を行う、行政代執行が行われる場合もあります。
代執行の事例
事例① 千葉県の鉄骨造3階建て。
法人事業者が業務縮小により2003年頃移転し、それ以降管理不全な状態が継続していました。
その後、東日本大震災の発生を受け、市の巡回や近隣住民の相談をきっかけに、外壁材及び屋根材一部の崩落を確認。
老朽化による建物倒壊のおそれがあるため、市は所有者に対し、再三にわたり建物の除却を働きかけましたが、経済的な事情を理由に改善されませんでした。
2011年から十数回の指導、2016年4月には指導文通知、その後代執行まで計3回所有者面談が実施されました。
敷地は、JR線や通学・通勤路に面し、この状態を放置することは、公益に反するとともに周辺に対する緊急性が極めて高いと判断し、2017年4月に建物の除却の行政代執行が行われました。
解体等にかかった工事費用は約1,040万円で、工事費用の回収方法は差押えで行われたようです。
事例② 新潟県の木造2階建て
空き家は1968年に建てられた築54年の木造2階建て住宅でした。
通学路沿いにあり、地元町内会が2012年から対策を要望していました。
風で瓦が飛んだこともあったそうです。
2018年、市は空き家対策特別措置法に基づき、倒壊などの危険性が高い「特定空き家」に認定。
市は所有者に対して、書面で適正な管理をするよう求めましたが、所有者から返事はなく、放置すれば住民や近隣の住宅に被害が出る可能性があると判断し、2022年に行政代執行が行われました。
約650万円の解体費用がかかったそうです。
この費用は所有者に請求され、所有者から解体費用の納付がなければ、土地や預貯金などの差し押さえが検討されるそうです。
事例をみて分かるとおり、行政代執行にまで至るのは、何度も注意されているにもかかわらず放置されている空き家です。
行政代執行に至る流れ
「特定空き家」の認定から、行政代執行に至るには、助言又は指導、勧告、命令など、いくつかのステップがあります。
①特定空き家の認定
建物が傾いていたり、基礎に大きな亀裂やひび割れ、土台に腐食や蟻害があり、倒壊の危険性がある状態や、
吹付け石綿(アスベスト)の飛散や、廃水の流出やゴミの放置により悪臭やネズミ・ハエ・蚊の発生で衛生上有害な状態、
景観計画のルールに著しく適合しないことや、屋根や外壁が汚物や落書き、ゴミの散乱等で、著しく景観を損なっている状態、
立木の倒壊や枝折れで歩行者の通行を妨げたり、空き家に動物が住み着き、生活環境の保全を図るために放置するのが不適切な状態、
このようなことがあれば、近隣住民の苦情や、役所の職員による現地調査で確認し、各市町村は空き家特措法に基づき、「特定空き家の認定」を行います。
②助言又は指導
特定空き家に認定されてから、行政はまず所有者に、「助言又は指導」を行います。
この段階で適切な対応をすれば、何の罰則もなく、特定空き家の認定は解除されます。
③勧告
助言又は指導があったにも関わらず、適切な対応がとられない場合、より効力の強い「勧告」がなされます。
勧告された場合、翌年から、固定資産税の住宅用地の特例措置が受けられなくなってしまいます。
「固定資産税の住宅用地特例」とは、住宅の用途で利用されている土地に対して、固定資産税や都市計画税を減額する特例です。
その減額幅は土地の広さにより異なりますが、土地が「非住宅用地」として課税されることになると、おおよそ固定資産税が約4倍、都市計画税も約2倍と大幅に上がってしまいます。
④命令
勧告を受けてもなお必要な措置をとらなければ、さらに効力の強い「命令」が下されます。
猶予期間を定め、改善内容について命令され、この命令に応じなかった場合、
所有者は50万円以下の過料に処される可能性があります。
異議申し立てを行うこともできますが、特定空き家に指定されている時点で客観的な事実があり、その申し立てはおそらく通らないでしょう。
⑤行政代執行
最終通告である命令にも従わず必要な措置がとられない空き家には、行政代執行が実行されます。
自治体は、文書による戒告を行い、相当の履行期限を定め、その期限までに履行がなされないときは、代執行を行うことを伝えます。
期限が到達すれば、自治体が選んだ業者が空き家の取り壊しなどを行います。
取り壊し費用は、一般的な金額よりも高くなることが多いそうです。
行政代執行にかかった費用は、後日所有者に請求され、これは相続人にも及びます。
また、所有者不明の空き家には、「略式代執行」の措置がとられ、かかった費用は市町村で立て替え、所有者が分かった場合には所有者に請求します。
2020年3月31日時点で現存する特定空き家は17,636物件あり、大きな問題となっています。
特定空き家に指定される前に対策を!
相続した家や居住しなくなった家について、または今後そのようになる可能性があり、どうすれば良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
お盆に集まるその機会に、家族で話し合ったり、弊社に相談してみませんか?
先延ばしにして放置していると、「固定資産税の住宅用地特例」がうけられず固定資産税が上がったり、「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」が受けられずに損をする場合もあります。
ちなみに、「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」とは、
相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までに、被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、当該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む。)又は取壊し後の土地を譲渡した場合には、当該家屋又は土地の譲渡所得から3,000万円を特別控除する。
という制度です。
相続や、所有している不動産でお困りのことがあれば、ぜひワンダーランドにご相談下さい。
⭐︎☆ 有限会社ワンダーランド☆⭐︎創業:平成2年4月
・HP: https://www.0120720901.com/
https://www.720901.com/
https://www.720.co.jp/
・mail kuma@720901.com
住所:大阪市浪速区敷津西1-1-25
Tel: 0120-720901(なにわくで一番)
Tel: 0120-720981(なにわくは一番)
Fax: 06-6643−3363
Fax: 06-6647-3363
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
関連した記事を読む
- 2024/11/20
- 2024/11/19
- 2024/11/16
- 2024/11/16