優良マンションを認定する、管理計画認定制度。
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
マンションを選ぶ際、見た目や立地だけでなく、そのマンションが適切に管理されているかどうかも重要なポイントです。
そこで注目されているのが優良マンションを認定する「管理計画認定制度」です。
この制度により、マンションの長期的な維持と住民の安心・安全の向上につながることが期待できます。
しかし、この制度で認定された優良マンションにも、課題はあるようです。
優良マンションの基準
マンションの長期的な維持と住民の安心・安全のために、適切な管理が重要です。そのための一つの指標として「管理計画認定制度」があります。この制度は、マンションの管理計画が一定の基準を満たしていることを認定するもので、以下のような項目がチェックされます。
管理組合の運営
管理者等及び監事の選任:マンションの管理者や監事が適切に定められているかが評価されます。
集会(総会)の定期的な開催:マンションの集会や総会が定期的に開催され、適切に運営されているかがチェックされます。
管理規約
管理規約の作成:マンションの管理に関する規約が作成されていることが求められます。
緊急時の対応や情報提供に関する規定:緊急時の専有部分の立ち入りや修繕履歴の保管、財務・管理情報の提供に関する規定が管理規約に含まれているかが評価されます。
管理組合の経理
管理費と修繕積立金の区分経理:管理費と修繕積立金が適切に区分されて経理されているかがチェックされます。
修繕積立金会計からの他の会計への充当の禁止:修繕積立金が他の目的で使用されていないかが評価されます。
修繕積立金の滞納対策:修繕積立金の滞納に対して適切な対策が取られているかがチェックされます。
長期修繕計画の作成及び見直し
長期修繕計画の策定と集会での決議:マンションの長期修繕計画が策定され、それに基づいた修繕積立金が集会で決議されているかが評価されます。
長期修繕計画の定期的な見直し:長期修繕計画が7年以内に作成または見直しされているかがチェックされます。
計画期間と修繕工事の内容:長期修繕計画の計画期間が30年以上で、かつ残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれているかが評価されます。
一時金の徴収の計画の有無:長期修繕計画において将来の一時金の徴収を予定していないかがチェックされます。
修繕積立金の平均額の適切性:計画期間全体での修繕積立金の総額から算定された平均額が著しく低額でないかが評価されます。
計画期間の最終年度における借入金の残高:計画期間の最終年度において、借入金の残高がないことが求められます。
その他
組合員名簿、居住者名簿の管理:マンションの組合員や居住者の情報が適切に備えられ、管理されているかが評価されます。
都道府県等のマンション管理適正化指針への適合:マンションの管理が、都道府県や指定都市が定めるマンション管理適正化指針に適合しているかがチェックされます。
管理計画認定制度のメリット
マンションがこの認定を受けると、以下のようなメリットがあります。
住民の安心感の向上
マンションの管理状態が適正であることが第三者によって認定されるため、住民は安心して生活できます。
資産価値の維持・向上
優良な管理状態が維持されることで、マンションの資産価値が保たれ、将来的にも価値が下がりにくくなります。
住宅ローンの金利優遇
一部の金融機関では、認定マンションの購入時に住宅ローンの金利優遇を受けられる場合があります。
具体例的に、管理計画認定を受けたマンションでは、以下のような取り組みが行われています。
長期修繕計画の策定:30年先までの修繕計画を策定し、定期的に見直しを行っています。
修繕積立金の適正化:修繕に必要な費用を見積もり、適切な額を積み立てています。
防災訓練の定期実施:年に2回、住民参加のもとで防災訓練を実施しており、万が一の災害に備えています。
コミュニティの活性化:管理組合が主催するイベントを通じて、住民同士の交流を促進しています。
これらの取り組みにより、当該マンションは住民からの信頼が厚く、快適な居住環境が保たれているそうです。
管理計画認定制度の課題と展望
長期修繕計画を定めて修繕積立金を積み立てているマンションのうち、
「現在の修繕積立額の残高が、長期修繕計画の予定積立残高に対して不足していない」
と回答したマンションは約34%にとどまるという調査結果があります。
また、長期修繕計画について定期的(5年ごと)を目安に見直しされているマンションは約56%であり、約44%は定期的に見直しがされていないことが明らかになっています。
築年数が浅いマンションほど、「段階増額積立方式」を採用している管理組合の割合は増加傾向にあり、2022年4月より開始した予備認定においては、認定を取得したマンションの大半が「段階増額積立方式」を採用しています。
「段階増額積立方式」は、数年単位で段階的に積立金を値上げしていく方法です。
新築時にはかなり割安な金額に設定されていますが、築年数が経過すると積立金の負担が重くなっていきます。
値上げしていくことを前提に設定されている金額なので、値上げが出来ないと修繕積立金は必ず不足します。
しかし、修繕積立金の値上げは実際には困難な状況があると考えられ、修繕積立金の値上げを議案とした総会では、値上げに対する懸念や反対意見など、ネガティブな質疑応答が多くなっています。
具体的なネガティブな意見としては、
「生活に支障が出るから値上げに反対」
「修繕工事の内何項目かを先延ばしにして欲しい」
「値上げの根拠がわからない。値上げの根拠となる長期修繕計画の説明が不足している。」
「値上げを何回かに分けて、一度の値上げ幅を小さくしてほしい。」
「値上げをしても滞納が増えるだけではないのか。」
この様なものがあり、値上げの話は簡単には進みません。
値上げされると困るという気持ちはとても良く理解できますが、将来的に修繕積立金が不足しトラブルになることが容易に予測できます。
今後この様な課題にどう取り組んでいくのか、マンション管理組合は、修繕積立金の適正な設定と値上げの必要性を理解してもらうために、透明性のあるコミュニケーションと長期修繕計画の詳細な説明が重要となる事でしょう。
管理計画認定制度に独自の基準を設けている地域もあります。
大阪府では、東大阪市や岸和田市などが、管理計画認定基準に独自の基準を追加しています。
東大阪市の追加基準には、建築物の耐震改修の計画の作成や防火管理者の選任、災害時の避難場所の周知など、防災や耐震性に関する項目が含まれています。
今後も、独自の基準を追加する自治体が出てくるかもしれません。
まとめ
管理計画認定制度は、マンションが適正な管理状態にあるかどうかを客観的に評価するための重要な制度です。
認定を受けたマンションは、住民の生活の質を向上させるだけでなく、資産価値の維持にもつながります。
しかし、認定されたマンションでも、長期修繕計画の見直しや修繕積立金の適切な管理など、課題も存在します。
マンション選びの際には、管理計画認定の有無や基準内容に注目するとともに、管理組合の運営状況や長期修繕計画の内容も確認することが重要です。
今後も管理計画認定制度のさらなる普及と発展に注目していきたいですね。
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