「盛り土規制」が大阪市内すべてに?重説は売買だけじゃありません
なんば大国町の不動産エージェント ワンダーランド・久保田 博です。
最近、「大阪市内全域が盛り土規制の対象になった」という話題を目にされた方もいるかもしれません。
でも、こういうニュースって、「売買には関係あるんやろうけど、賃貸には関係ないんじゃないの?」と思われがちです。
ところが、実はそれ、ちょっと危ない考え方なんです。
1. そもそも「盛り土規制」って何?なぜ広がった?
盛り土規制とは、大雨や地震による土砂災害を防ぐために、盛り土の造成行為に制限をかける制度です。
一定の面積や高さを超える盛り土をする場合、都道府県などへの事前の届出や許可が必要になります。
この規制が全国に広がったきっかけのひとつが、2021年に静岡県熱海市で発生した土石流事故です。
しかし、問題は熱海だけではありません。
実は大阪でも、西成区で土が崩れ、住宅に被害が及んだという事例がありました。
このケースでは、宅地造成された高低差のある土地で擁壁が崩れ、土砂が流出する被害が発生しています。
幸い大きな人的被害には至りませんでしたが、「都市部だから安全」とは言えないことが明らかになりました。
こうした背景もあり、大阪市全域が宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)の対象区域に追加されることになったわけです。
「うちは平地だから関係ない」「都市部だから崩れるなんてことないだろう」
そう思っていると、知らぬ間に規制のある土地を取引してしまうリスクがある。
だからこそ、我々も、売主も、買主も、借主も――知っておくべき時代になったのです。
2. 売買だけじゃない!賃貸でも説明が必要です
今回の盛り土規制の拡大で、まず大きな影響を受けるのが不動産の「売買」取引です。
なぜなら、土地を購入した後に建物を建てる予定がある場合、その土地が盛り土規制区域に該当すると、事前に届出が必要になる可能性があるからです。
擁壁や高低差のある土地、以前に造成された履歴のある土地などでは、造成工事や基礎工事を行う際に、法規制を把握していないと「すぐに建てられない」という事態になりかねません。
だからこそ、売主も買主も、土地の状況を契約前にしっかりと把握し、重要事項説明で明示することが求められるのです。
とはいえ、この「盛り土規制区域に該当するかどうか」は、売買だけでなく、賃貸契約における重要事項説明書にも記載すべき項目です。
ただ、現場では正直なところ、賃貸でそこまで丁寧に説明されていないケースも多いと感じています。
というのも、賃貸契約では建物の設備や周辺環境ばかりに目が向きがちで、
「盛り土規制?それって建てるときの話じゃないの?」と受け流されてしまいやすいからです。
たしかに、賃借人が建て替えや大規模リフォームを行うことは通常ありません。
でも、建物の安全性や土地の管理状態、災害時のリスクなど、長く住むうえで知っておいて損のない情報であることは間違いありません。
また、大家さんが将来的に建て替えを検討している物件などでは、盛り土規制の有無が建築可否に関わるため、結果として借主の住環境にも影響を及ぼす可能性があります。
つまり、「知らなくても問題ない」ではなく、「知っておくと安心できる」情報なのです。
だから私たちは、売買だけでなく賃貸でも、土地や地盤に関わる重要な情報はなるべく誤解のないように丁寧に説明するよう心がけています。
3. 見えない“つまずき”が現場で起きている
盛り土規制という言葉だけを聞くと、「大きな工事をするときだけ関係する話」と思われがちです。
でも、実際の現場では、ちょっとした油断や確認不足が原因で、取引や工事が思わぬところで止まってしまうことがあります。
たとえば——
● 売買の場面では…
建て替えを前提に土地を購入された方が、工事申請の段階で「この土地は盛り土規制区域に該当します」と役所から指摘されたという話を聞いたことがあります。
契約時点では特に説明がなかったため、着工直前に届出が必要となり、スケジュールが後ろ倒しに。
工務店との調整や、金融機関とのやりとりにも影響が出たそうです。
このように、事前に分かっていれば防げたはずのつまずきが、情報の行き違いで生まれることもあるのです。
● 賃貸の場面でも…
ある賃貸物件で、「建物のゆがみが気になる」と入居者が管理会社に相談した事例がありました。
調査が進むうちに、その建物が過去に盛り土で造成された土地に建っていたことが判明したそうです。
盛り土による地盤沈下や排水の偏りといった問題は、住んでから気付くケースもあり、決して他人事ではありません。
もちろん、すべての賃貸物件がそうなるわけではありませんが、「賃貸だから関係ない」と思っていたことで後から不安が生じる可能性もあるという意味では、やはり一定の情報開示は大切だと感じます。
4. 当社の対応:売買も賃貸も、きちんと伝えます
盛り土規制の対象が大阪市全域に拡大されたことで、「これまで説明不要だった物件にも説明が必要になる」という場面が増えています。
これを受け、弊社では以下のような対応を徹底しています。
◎ 売買では、都市計画法・宅地造成等規制法・盛り土規制などの法的制限を事前に確認し、重説でしっかり説明
◎賃貸でも、擁壁がある、造成地に見える、土地の高低差がある物件などでは「盛り土規制区域である可能性」を説明
◎疑問があれば、市や府の土木事務所に確認したうえで、お客様に正しい情報を共有
私たちは、「何かあってからでは遅い」「小さなことでも最初に伝える」という姿勢で日々の業務にあたっています。
後から「そんな話、聞いてなかった」と言われてしまうような説明の仕方では、不動産会社としての信頼は築けません。
実際、同業他社のなかには、まだこうした盛り土規制の扱いに慣れておらず、説明が不十分なまま契約が進んでいるケースも見受けられます。
だからこそ、「売る人」「借りる人」だけでなく、「貸す人」「買う人」にとっても、盛り土規制は“知っていて損のない情報”だと私たちは考えています。
5. 法律が変われば、取引の常識も変わる
不動産の世界では、「自分には関係ない」と思っていた法律が、ある日突然大きな影響を及ぼすことがあります。
● 売る人も
● 買う人も
● 借りる人も
● 貸す人も
今回の盛り土規制のように、「今まで該当しなかった場所まで対象になる」と、それまで“常識”だった取引の前提が変わります。
これからの取引では、
「その土地がどんな法規制にかかっているのか?」
を最初に確認することが、ますます重要になってくるはずです。
これはもちろん、業者の責任でもありますが、所有者や利用者も少し意識を持っておくだけで、安心感や判断の正確さがまったく違ってきます。
まとめ
不動産取引は、「知っているか」「知らなかったか」で結果が大きく変わる世界です。
だからこそ私たちは、正しく伝えること、そして“伝わるように”伝えることを何より大切にしています。
「知らなかった」ことで損をしてしまう人が一人でも減るように。
「そんなことまで説明してくれて助かった」と思ってもらえるように。
それが、私たちの目指す仕事のあり方です。
不動産についてお困りのことは、ぜひワンダーランドにご相談ください。
⭐︎☆ 有限会社ワンダーランド☆⭐︎創業:平成2年4月
・HP: https://www.0120720901.com/
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大阪ミナミ 高島屋前の戎橋筋にあった、大阪市立精華幼稚園・精華小学校の出身です。現在エディオン。
なんばスケート場・なんばプール・千日ファミリープール、今あるマルイの地下にあった、ゲームセンター等を幼稚園の時から遊び場にし、小学生の時は、友達の雀球・アレンジボール、コインゲームセンター、雀荘などで遊び呆けて育ちました。
世間では、そんな風うに育てば、ろくな人では無いと思われるか知れませんが、門前の小僧みたいなもので、何をすれば駄目なのか、何をすれば良いのか、がわかるようになったように思います。
そんなこんなで今があります。
「戦争」「コロナ禍」「地震」「円安」「デフレ」。一体この不況はいつまで続くのでしょうか。多くの国民がこの暗いトンネルの出口を探そうとあえいでいます。
不動産業というのは、世間の人から客観的に見ても、「何か恐い」「騙される」「うそをつかれる」「ふっかけられる」等の先入観で判断されがちです。事実、我々不動産業者が同業者を見ても、「狐とタヌキの化かしあい」の様なところも事実あります。その様な部分を改善しょうともせず、勉強をせず営業努力も怠って業界自体も現在に至っています。
そのような中、やはり、お客様の喜びなしではやっていけません。私たちはお客様の笑顔を見るために、本当にいいサービスを本当に喜ばれるように、生意気かも知れませんが、感謝されるお客様をどれだけ創る事ができたのかが大切だと考えています。
しかし、現実は非常に厳しい。まずは、その訳をお聞きください。土地建物の売買の場合、売り物件はどうしても、知名度のある、信用力のある、大手に流れてしまいます。
買いの場合は、極端な話し、手数料が安ければと言われるお客さんもいらっしゃいます。要は業者などどこでもよく、ちゃんと取引が出来れば購入してくれます。 買うのはどこの不動産屋でも同じ!しかし、売るの時は、大手!と言う心理がはたらいています。
大手と街の不動産屋の大きな違いは、資金力・信用力はもとより、取引時の重要事項説明書などの書類関係など調査力と、丁寧さです。街の不動産屋は、道路・ガス・上下水道・隣地境界・道路関係などの面倒のかかる調査は最近やっと当たり前になってきました。全ての不動産屋がいい加減では決してありませんが、でも、私も含めてそうかも知れませんが、不動産屋などをやろうとする人は、一発逆転ホームランを狙うような、楽して儲けようと思う人が多いのも確かだとおもいます。
ワンダーランドの沿革は昭和33年に私の父が難波歌舞伎座裏で南新商事創業(不動産業 免許番号第1590号)。南新商事のお客様を受けつがず、平成2年敷津西に、何とか一年分の生活費を工面し有限会社ワンダーランドをオープン。ゼロからのスタートでした。
平成2年と言うと、バブルの絶頂期で土地を2~3週間も物件を抱くと数百万円も儲かるという時代でした。売買のお客様には金額も張るため、本当の歳(27歳)は言えず、33歳ですと嘘を言わないと信用もされません。
そして、不動産業さえすれば儲かると錯覚し、営業を始めたのですが、土地の値段も坂を転げ落ちるように下がり、なかなか売買の仲介ができませんでした。
私自身、まだ弱冠27歳で、妻と二人で事務所にいるだけで電話もかからず、月に1件賃貸の契約が出来れば良いほどで、売買などは皆無でした。幼い子供がいたために、事務所の2階には子供を寝さす部屋として2畳の和室(現在もあります)を作りました。妻と子を養うどころか、不動産業だけではどうにもならず、妻もパートに行き、そして、夜は子供が寝静まってから、なんとか輪転機のリースが通った機械で寒い冬も、暑い夏も、チラシ作成し、それを妻と二人で配りに歩きました。しかし、結果を出すことが出来ず。妻には迷惑ばかりをかけていました。
なんとか、かんとか5年ぐらい持ちこたえることができ、その頃から1人2人とスッタッフにも恵まれ賃貸にも力を入れ、売買と賃貸の両輪で営業を進め、おかげさまで、平成11年6月に、大阪市浪速区元町1丁目(私の実家)に2店舗目を出すことが出来ました。(2020年に難波店閉店)
いくらワンダーランドが儲らなくても、嘘をついて儲けたくはありません、お客様に喜んで戴き「また使ってやる」と言われなければと考えております。
皆様に支えられて、浪速区内の元町・敷津西・敷津東・大国・難波中・戎本町の木津中校区での売買・賃貸の仲介実績をあげられるようなりました。
その間、小学校や中学校のPTAの会長や地域のお手伝いをさせて頂くようになり、賃貸管理も雪が春の日差しで徐々に溶けるように、任せて頂けるようになりました。
今は、この様にいろんな角度から応援してくれた皆さんに感謝しています。現在スタッフは私・妻を含め7名(内宅建士6)です。
幸せ感は人それぞれ違うかも知れませんが、今ある自分は皆さんのおかげで生活できる事に心より感謝し、皆さんの喜んでいる顔を思い浮かべ、一意専心に物事にあたっていきます。
好きな言葉 死は好むべきにも非ず、亦悪むべきにも非ず。 道尽き心安んずる、便ち是死所。 世に生きて心死する者あり、身亡びて魂存する者あり。 心死すれば生きるも益なし、魂存すれば亡ぶるも損なきなり。 死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。 生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。