不動産を「法人で引き継ぐ」という考え方は、本当に有利なのか
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
相続の話をしていると、「法人を作って不動産を持たせた方が節税になるらしい」という言葉を耳にすることがあります。
不動産相続と法人は、相続対策の話題の中で一緒に語られることが多く、何となく「法人の方が得なのでは」という印象を持たれる方も少なくないように感じます。
ただ実際には、法人で引き継ぐ方法が、すべての人にとって有利とは限りません。
今回は、不動産を「法人で引き継ぐ」という考え方について、仕組みの違いや一般的に言われている理由を整理しながら、冷静に考えてみたいと思います。
1.法人で引き継ぐと、相続の形はどう変わるのか
個人で不動産を所有している場合、その人が亡くなると、不動産そのものが相続財産になります。
土地や建物が直接相続の対象となり、その評価額をもとに相続の話が進んでいきます。
一方で、不動産を法人が所有している場合、相続の対象になるのは、不動産ではなく「その法人の株式」です。
つまり、同じ建物や土地であっても、
個人所有であれば「不動産の評価」、
法人所有であれば「株式の評価」、
という形で扱われることになります。
この構造の違いが、法人を使った相続が注目される理由の一つになっているように感じます。
2.個人で引き継ぐ場合との違い
個人で不動産や現金を相続する場合、「何をどれだけ引き継いだのか」が比較的分かりやすいという特徴があります。
不動産は不動産、現金は現金として、それぞれを直接引き継ぐ形です。
一方、法人を通して引き継ぐ場合は、「不動産を相続した」というよりも、「法人という仕組みを引き継いだ」という形になります。
相続人は、法人の株主として、不動産に関わることになります。
この違いによって、相続後の関わり方や判断の仕方も変わってきます。
単に税金の話だけでなく、「その後、どう管理し、どう意思決定をしていくのか」という視点も必要になるように感じます。
3.「法人にすると節税になる」と言われる理由
法人を使った相続が注目される理由の一つに、「節税になると言われている」という点があります。
この背景には、評価の考え方の違いがあります。
一般論として、法人の株式評価は、不動産そのものを評価する場合とは、仕組みが異なります。
そのため、条件によっては、結果として評価額が変わることがあります。
ただし、これは「そうなる場合がある」という話であって、常に有利になるという意味ではありません。
法人の内容や、資産の構成、収益の状況などによって、結果は大きく変わります。
「法人にすれば必ず得をする」という単純な話ではない点は、整理して考えておく必要があるように思います。
4.法人を作る・維持するために必要なこと
法人を使った承継を考える際、忘れてはいけないのが、法人そのものにかかる手間や費用です。
法人を設立するには、登記などの手続きが必要になり、一定の費用が発生します。
また、法人を維持していくためには、
・帳簿の管理
・決算や申告
・必要に応じた外部への依頼
といった継続的な作業も発生します。
不動産を持っているだけで、特に事業をしていない場合でも、法人である以上、一定の管理は避けられません。
この点は、「節税になるかどうか」とは別に、現実的に考えておく必要がある部分だと感じます。
5.相続後も、その法人を続けられるか
法人を作るということは、相続後もその法人を維持していく前提になります。
誰がその法人に関わるのか、
誰が判断をするのか、
相続人の間で役割を担える人がいるのか。
「相続対策として法人を作ったが、相続後は誰も積極的に関わらなくなってしまった」という話も、現場では聞かれることがあります。
法人は、作って終わりではなく、続けていく仕組みでもあります。
節税という視点だけでなく、「相続後も無理なく続けられるか」という点も、重要な判断材料になるように感じます。
6.まとめ
不動産を法人で引き継ぐという方法は、相続対策の選択肢の一つです。
ただ、それがすべての人にとって有利とは限りません。
・相続の形がどう変わるのか
・個人で引き継ぐ場合との違い
・評価の考え方
・法人を維持するための手間や費用
・相続後の関わり方
こうした点を含めて考える必要があります。
どの方法が良いかは、最終的にはそれぞれの状況によります。
だからこそ、「法人=得」と決めつけるのではなく、仕組みを理解したうえで、自分たちに合った形を考えることが大切なのではないでしょうか。
このブログが、不動産相続と法人について、冷静に整理するための一つの材料になれば幸いです。
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