子どもの火遊びが引き起こす親の責任とは?
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
最近、とあるニュース記事を見つけて、その内容に驚きましたので、皆さんにも共有したいと思います。
裁判の内容と親の監督責任について、勉強になりました。
子どもがいたずらや遊びで引き起こす事故の影響
2018年に発生したアパート火災はその一例です。
この火災では住人2人が死亡し、火遊びをしていた11歳の男児の母親に対して裁判所は遺族への約3160万円の賠償を命じました。
このようなケースでは、親に課せられる「監督責任」が大きな問題となります。
アパート火災の事例
遺族は男児の母親に対し、約4050万円の損害賠償を求めて訴訟を提起しました。
訴訟では、母親が子どもに対する監督義務を尽くしていたかが争点となりました。
遺族側は
「マッチで遊ぶ危険性は当時8歳の男児にも理解でき、母親が適切な指導を行っていれば火災は簡単に回避できた」
と主張。
一方で、母親側は
「男児の生活習慣に気を配り、それまで警察が関わる事態もなく、監督義務を十分履行していた」
と反論しました。
判決の内容と監督責任
母親には火の危険性を十分に教えておく監督義務があったと指摘しました。
また、火災の約1か月前から男児の友達が火遊びをしている噂があり、
火災の直前には男児が「マッチ、マッチ」とつぶやきながら外出した際に
母親は「マッチは危ないよ」と言っただけでそれ以上注意しなかったと指摘。
これにより「母親は監督義務を怠った」と結論付けました。
失火責任法について
この法律によれば、火災が軽過失(通常の注意義務を怠った程度の過失)によって発生した場合、その加害者は損害賠償責任を負いません。
つまり、火災が軽過失によって発生した場合、火災の被害を受けた建物の持ち主が、自分の保険で修理する必要があります。
この法律の目的は、失火による過度な賠償負担から国民を保護することにあります。
民法における親の責任と裁判の流れ
民法では、責任能力のない子どもが第三者に損害を加えた場合、親が賠償責任を負うと規定されていますが、親が監督義務を尽くしていれば責任は免れるともされています。
しかし、民事裁判では予測が困難な事故でも親の賠償責任が広く認められてきました。
こうした流れに一石を投じたのが、最高裁が2015年に言い渡した判決です。
11歳の男児が校庭で蹴ったサッカーボールが道路に転がり、よけようとした高齢者のバイクが転倒して死亡した事故で、親の賠償責任を否定しました。
「通常は危険がない行為で偶然生じた損害について、親の監督責任は問われない」
とする判断基準を示したのです。
火遊びや危険行為と親の責任
しかし、損害賠償請求訴訟に詳しい専門家によると、火遊びや線路への置き石といった危険な行為はこの基準に当てはまらない可能性が高いと指摘しています。
「親が子どもの生活全般に広く責任を負うという裁判所の考え方は、最高裁判決前後で変わっていない」とのことです。
子どもの行動に親がどこまで責任を負うのか、監督義務をどのように果たすべきか、これは非常に重要な問題です。
親としては、子どもの安全を確保し、危険な行為を防ぐための適切な監督を行うことが求められます。
軽過失と重過失の区別
親が監督義務を果たさなかったことが軽過失か重過失かは、具体的な状況によって判断されます。
一般的に、軽過失は通常の注意義務を怠った場合を指し、重過失は著しく注意を欠いた場合や故意に近い形で注意義務を全く怠った場合を指します。
今回の事例では、裁判所は母親が「監督義務を怠った」として賠償を命じています。
この判断は、親の行為が単なる軽過失ではなく、子どもの火遊びに対する適切な監督義務を著しく欠いた重過失と見なされる可能性が高いです。
特に、火遊びの危険性を認識しながらも十分な注意を払わなかった点が重過失と判断される要因となるでしょう。
従って、親が監督義務を果たさなかったことが重過失とされる場合、その責任は軽過失とは異なり、免責されない可能性が高いです。
まとめ
このように、子どもの行動による事故やその後の法的責任について考えることは非常に重要です。
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