マンションの共用部で工事中に死亡事故が起きた。区分所有者の売却に影響はあるのか
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
分譲マンションを所有していると、自分では関与できない出来事が建物内で起きることがあります。
例えば、外壁補修などの共用部の工事中に作業員が転落して亡くなる、というような事故です。
国土交通省が公表している建設業の死亡災害事例にも、マンションの外壁補修工事現場でゴンドラに乗り込もうとした作業員がバランスを崩し、高さ約13メートルから墜落した事例が記録されています。
こうした事故は、決して珍しいケースではありません。
このとき、区分所有者として気になるのは「この事故は、将来売却するときに影響するのか」という点ではないでしょうか。
亡くなった方への思いは当然ありつつも、現実的な問題として「心理的瑕疵になるのか」「告知が必要なのか」「価格への影響はどうか」は、オーナーとして知っておくべき大切な情報です。
今回は、このテーマについて整理してみたいと思います。
1.「心理的瑕疵」とは何か
不動産取引における「心理的瑕疵」とは、建物や土地そのものに物理的な欠陥はなくても、買主が心理的な抵抗感や嫌悪感を覚えるような事情があることをいいます。
代表的なものは、室内での自殺・他殺・事故死などの「人の死」に関する事案です。
こうした事実がある物件は「事故物件」と呼ばれることが多く、買主の購入判断に大きく影響します。
2021年10月、国土交通省は「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表し、どのような場合に告知が必要かの基準を示しました。
このガイドラインは、戸建てだけでなく分譲マンションにも適用されます。
2.共用部での死亡事故は心理的瑕疵になるか
マンションの場合、死亡事故が起きた場所が「専有部分(自分の部屋)」か「共用部分(廊下・エレベーター・外壁など)」かによって、取り扱いが変わります。
国土交通省のガイドラインでは、共用部分については次のように整理されています。
◎ 日常的に使用する共用部分(玄関・エレベーター・廊下・階段など)での死亡 → 告知が必要
◎ 日常的に使用しない共用部分(外壁・屋上・機械室など)での死亡 → 原則として告知は不要
つまり、共用部であっても「居住者が毎日通る場所かどうか」が大きな分かれ目になります。
3.工事業者の事故死は「どの共用部」で起きたかがポイント
外壁補修工事中に作業員が転落して亡くなった場合を考えてみます。
事故が起きた場所が「外壁」や「屋上の足場」であれば、居住者が日常的に使用しない共用部分に該当する可能性が高く、原則として告知は不要とされます。
一方で、事故が廊下やエレベーター前など、居住者が毎日使う場所で起きた場合は、告知が必要になる可能性があります。
また、亡くなったのが「居住者」ではなく「工事業者」であることも、判断に影響する要素です。
国土交通省のガイドラインは主に居住者の死を念頭に置いていますが、工事業者の労災死亡であっても、事故の状況や場所によっては心理的瑕疵と判断される可能性はゼロではありません。
「10年以上前の話だから問題ない」と思いたいところですが、売買契約においては時効の扱いが賃貸と異なります。次章で詳しく説明します。
4.売買の場合、告知義務に時効はない
賃貸契約の場合、心理的瑕疵の告知義務は事案発生から概ね3年が目安とされています。
しかし売買契約の場合、告知義務に期限は設けられていません。
理由は、売買は賃貸よりも取引金額が大きく、買主が受ける損害も大きくなりやすいためです。
たとえ10年以上前の出来事であっても、売買の場面では告知が求められるケースがあります。
ただし、これはあくまで「心理的瑕疵に該当する事案」の場合です。
前述のとおり、日常的に使用しない共用部分での工事業者の死亡事故については、ガイドライン上は原則として告知義務の対象外となります。
とはいえ、買主から「過去に事故はありましたか?」と問われた場合には、知っている事実を隠すことは望ましくありません。
不動産取引は信頼関係が基本です。
グレーゾーンの事案であれば、不動産会社に相談しながら対応方針を決めることが大切です。
5.価格への影響はどのくらいか
心理的瑕疵があると判断された場合、一般的に物件価格は下落する傾向があります。
事案の内容によって差はありますが、他殺のような重大な事件では相場の3〜5割減になることもあります。
一方、自殺や飛び降りの場合は1割程度の下落にとどまるケースもあるとされています。
今回のような「工事業者の労災死亡」の場合は、法律上の告知義務の対象外となる可能性が高く、価格への直接的な影響は限定的と考えられます。
ただし、事故がニュースとして広く報道されていた場合や、近隣で広く知られている場合には、心理的な影響が残ることもあります。
「法律上は問題がない」と「買主が気にしない」は、必ずしも同じではありません。
売却を検討される際は、こうした事情も含めて不動産会社に正直に伝えたうえで、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。
6.オーナーとして何をしておくべきか
マンションの共用部で重大な事故が起きたとき、区分所有者個人が直接対応できることは限られています。
管理組合が対応の窓口になることがほとんどです。
ただ、将来の売却に備えて、オーナー個人としてできることはあります。
まず、事故の概要(いつ、どこで、どのような事故だったか)を記録として残しておくことです。
時間が経つと記憶は薄れますが、書面として手元に置いておけば、売却時の判断材料になります。
次に、管理組合の議事録を確認しておくことも有効です。
大きな事故があれば管理組合の総会や理事会で議題に上がっているはずで、その記録が手がかりになります。
そして、売却を検討する段階になったら、早めに不動産会社に相談することをお勧めします。
告知が必要かどうかの判断は、事案の内容・場所・経過年数など複数の要素を総合的に見て判断する必要があるからです。
7.まとめ
マンションの共用部で工事中に作業員が亡くなるという事故は、実際に起こりうる出来事です。
こうした場合、区分所有者への影響は「どこで起きた事故か」によって大きく変わります。
外壁や屋上など、居住者が日常的に使用しない共用部分での事故であれば、国土交通省のガイドライン上は原則として告知義務の対象外となります。
一方、廊下やエレベーターなど日常的に使う場所での事故は、告知が必要になる可能性があります。
売買の場合は告知義務に時効がなく、賃貸より慎重な対応が求められます。
グレーゾーンの事案については、「問題ないはず」と自己判断せず、不動産会社や専門家に相談することが、後のトラブルを防ぐことにつながります。
マンションは一人では判断できないことも多い資産です。
いざというときに慌てないよう、日頃から管理組合の情報にも目を向けておくことが大切かもしれません。
******************************
不動産に関するお困りごとがありましたら、ぜひワンダーランドにご相談ください。
⭐︎☆ 有限会社ワンダーランド☆⭐︎創業:平成2年4月
・HP: https://www.0120720901.com/
https://www.720901.com/
https://www.720.co.jp/
・mail [email protected]
住所:大阪市浪速区敷津西1-1-25
Tel: 0120-720901(なにわくで一番)
Tel: 0120-720981(なにわくは一番)
Fax: 06-6643−3363
Fax: 06-6647-3363
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
関連した記事を読む
- 2026/07/10
- 2026/07/05
- 2026/06/30
- 2026/06/25







